ある日突然、激しい雹(ひょう)に襲われ、愛車がボコボコに…。こんな雹害車をどうすればいいか、悩んでいませんか?「買取に出したらやっぱり安くなる?」「修理してから売った方が高く売れる?」そんな疑問にお答えします。結論から言うと、多くの場合、修理せずにそのまま売却するのが賢明です。
雹害車は「買取額が安い」のか?
結論として、雹害車は無傷の車と比べて査定額が下がります。
- 減額の理由: ボディの凹みや傷は、再販する際に修理が必要になるため、その修理費用分が査定額から差し引かれるのが一般的です。被害の程度によって異なりますが、数万円から数十万円以上の減額となることもあります。
- 「修復歴車」にはならないことが多い: 雹害は主に外板パネル(ボンネット、ルーフ、トランクなど)の損傷で、車の骨格部分(フレームなど)にまで及ぶことは稀です。骨格に損傷がなければ「修復歴車」とはならず、事故車とは区別されるため、買取を拒否されることはまずありません。
ただし、年式が新しい人気の車種や、走行距離が少ない車などは、雹害があっても比較的高値で買い取られる可能性があります。また、エンジンや走行機能に問題がない点も雹害車の強みです。
修理してから売る vs. そのまま売る:どちらが得か?
多くの方が考える「修理してから売却」ですが、これは費用対効果が低いケースがほとんどです。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
| そのまま売る | 修理費用がかからないため、手元に残る金額が多くなりやすい。買取業者は安価に修理できる独自のルートや技術を持っていることが多い。 | 査定額は減額される。 |
| 修理してから売る | 見た目がきれいになり、マイカーとして気持ちよく乗り続けられる。 | 修理費用が非常に高額になりやすく、修理費用の全額を査定額のアップで取り戻せる可能性は低い。 |
一般的に、個人が修理業者に依頼する修理費用は高額になりがちです。たとえば50万円かけて修理しても、査定額のアップが20万円程度にしかならない、というケースも珍しくありません。結果的に、修理費用で大損してしまうことになりかねません。
売却を前提とするならば、「修理せずにそのまま」の状態で、複数の買取業者に査定してもらうのが最も得策です。
損を最小限に抑えるための行動
- 車両保険の確認と検討:
雹害は車両保険の補償対象となることがほとんどです。しかし、保険を使うと翌年度以降の等級がダウンし、保険料が上がってしまう可能性があります。修理費用と等級ダウンによる保険料の増額分を比較し、保険を使うかどうか慎重に判断しましょう。
- 専門業者を含む複数査定:
通常の買取店だけでなく、事故車や訳あり車の買取に特化した専門業者にも査定を依頼しましょう。彼らは海外への販路や安価な修理ルートを持っていることがあり、思わぬ高値がつく可能性があります。一括査定サービスを利用し、最低でも3社以上に査定してもらうのがベストです。
- 雹害の事実を正直に申告:
査定時に雹害の事実を隠しても、必ずプロに見抜かれます。正直に申告することで、後のトラブルを防ぎ、スムーズな取引につながります。
雹害に遭ったからといって、愛車の価値がゼロになるわけではありません。焦って高額な修理をする前に、まずは「そのままの状態で複数社に査定を依頼する」という行動から始めてみてください。それが、結果的に最も損をしない賢い選択となるでしょう。