ペデストリアンデッキの街路樹が色づき、朝晩の空気がキリッと冷え込んできました。
今年もまた、つくば名物**「筑波おろし」**の季節がやってきます。
広々とした道路で走りやすいのがつくば市の魅力ですが、冬になるとその環境は一変します。
吹きっさらしの道路、橋の上での凍結、そして数年に一度やってくるドカ雪……。
「まだ11月だし、雪なんて降らないでしょう?」
「スタッドレスタイヤに替えるのは、予報が出てからでいいや」
もしそう思っているなら、少し危険かもしれません。
つくばの冬は、都内よりも確実に寒く、路面状況もシビアです。
今回は、つくば市で安全なカーライフを送るために、**「今、何から準備すべきか」**を優先順位順に徹底解説します。
本格的な冬将軍が到来する前に、賢く準備を済ませておきましょう!
優先順位 1位:スタッドレスタイヤへの交換(または点検)
何をおいても最優先なのは**「タイヤ」です。
「雪が降ったら」ではなく、「気温が下がったら」**がつくばの鉄則です。
なぜ「今」なのか?
つくば市は内陸性気候のため、放射冷却現象により朝の気温がグッと下がります。都内が4℃でも、つくばは氷点下、なんてことは日常茶飯事です。
夏タイヤは気温が7℃を下回るとゴムが硬くなり、グリップ力が低下します。つまり、雪がなくても、冬の朝のアスファルトの上ではブレーキの効きが悪くなるのです。
つくば市内の「危険スポット」
市内には、雪がなくても**「ブラックアイスバーン(路面凍結)」**になりやすい場所が多数存在します。
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学園東大通り・西大通りのアンダーパスや陸橋
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ペデストリアンデッキの下(日陰になり、風が通るため凍りやすい)
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筑波山麓周辺や、ゴルフ場へ向かう道
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川や用水路にかかる橋の上
これらの場所を通勤・通学で通る方は、11月下旬〜12月上旬には必ず交換を済ませてください。
12月中旬以降になると、カー用品店やガソリンスタンドは「数時間待ち」の大行列になります。早めの行動が、時間とお金の節約になります。
【チェックポイント】
すでに持っているスタッドレスタイヤを使う場合、溝の深さ(プラットホーム)だけでなく、**「ゴムの硬さ」**をプロに見てもらいましょう。製造から4〜5年経ったタイヤは、溝があっても硬化しており、つくばの凍結路面では滑って止まらない可能性があります。
優先順位 2位:バッテリーの電圧チェック
タイヤの次に重要なのが、**「バッテリー」**です。
JAFの冬の出動理由、不動のNo.1をご存知ですか? それは「バッテリー上がり」です。
寒さはバッテリーの天敵
バッテリーは化学反応で電気を作っていますが、気温が下がるとその反応が鈍くなります。
さらに、冬は以下のような理由で電気の使用量が増えます。
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暖房(エアコン)の使用
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日照時間が短く、ヘッドライトの点灯時間が長い
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シートヒーターやリアデフォッガー(曇り止め)の使用
弱っているバッテリーに、寒さという追い打ちがかかると、ある朝突然「キュル……キュル……シーン」とエンジンがかからなくなります。
つくばのような車社会で、朝エンジンがかからない=「遅刻確定」「生活停止」を意味します。
【対策】
ガソリンスタンドや整備工場で、「冬前のバッテリー診断」をお願いしましょう。ほとんどのお店で無料でやってくれます。
もし「要注意」判定が出たら、迷わず交換をおすすめします。寒い朝に立ち往生してJAFを待つ時間を考えれば、安い投資です。
優先順位 3位:ウィンドウ周りの対策(解氷・曇り止め)
つくばの冬の朝、車に行ってみると**「フロントガラスが真っ白に凍っている」**。
これも「つくばあるある」ですよね。
絶対にやってはいけないこと
急いでいるからといって、熱湯をかけるのは厳禁です。
急激な温度変化でガラスが割れる危険がありますし、かけたお湯がすぐに冷えて再凍結し、余計に状況が悪化します。
揃えておくべき「三種の神器」
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解氷スプレー: シュッとかけるだけで氷が溶けます。ホームセンターで数百円で売っています。
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スクレーパー(霜取りヘラ): 溶けかけた氷を削ぎ落とすのに便利です。
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スノーブラシ: 車の上に積もった雪を下ろすブラシ。つくばでも年に数回、ドカ雪が降ります。屋根の雪を乗せたまま走るのは、ブレーキ時にフロントガラスに雪崩れてきて視界を塞ぐため、非常に危険です。
また、冬は車内と外気の温度差でガラスが曇りやすくなります。
内窓を綺麗に拭いておくこと、ウォッシャー液を「寒冷地対応(凍結温度が低いもの)」に入れ替えておくこと、または原液の濃度を高めておくことも忘れずに。普通の濃度だと、噴射した瞬間に凍りつきます。
優先順位 4位:ボディの保護(コーティング・錆止め)
これは必須ではありませんが、愛車を長く乗りたいならやっておくべき準備です。
融雪剤(塩カル)の恐怖
雪が降ったり、路面凍結の予報が出たりすると、つくば市内の主要道路には白い粒状の**「融雪剤(塩化カルシウム)」**が撒かれます。
これは塩分ですので、鉄でできている車にとっては「錆び」の原因になります。特に車体の下回り(マフラーやサスペンション)は錆びやすいです。
【対策】
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下回り防錆塗装: 車検のタイミングなどで、アンダーコートを施工してもらう。
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こまめな洗車: 融雪剤が撒かれた道路を走った後は、なるべく早く下回りを水洗いする。
また、冬は乾燥して砂埃が舞いやすく、筑波おろしの強風で汚れが付着しやすい季節です。冬前にしっかりとワックスやコーティングをかけておくと、汚れが落ちやすく、霜取りの際もガラスやボディへのダメージを軽減できます。
優先順位 5位:車載防災グッズの確認
最後は、「もしも」の備えです。
つくば市内だけでなく、年末年始に帰省やスキーなどで遠出をする方は特に重要です。
南岸低気圧の影響で関東に大雪が降ると、つくば市内の道路も大渋滞・立ち往生が発生します。車の中で長時間過ごさなければならない状況を想定しましょう。
【積んでおきたいアイテム】
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ブースターケーブル: バッテリー上がりの救世主。
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毛布・ブランケット: エンジンを切っても暖を取れるように。
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携帯トイレ: 渋滞時の必需品。
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懐中電灯・軍手: 暗い中での作業用。
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少しの食料と水: 非常食として。
トランクの片隅に一つのボックスにまとめて入れておけば、邪魔になりません。
まとめ:冬支度は「心の余裕」を生む
つくば市での冬支度、優先順位のおさらいです。
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タイヤ: 雪が降る前、気温が下がったら即交換!
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バッテリー: 突然死を防ぐためにプロの診断を。
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視界確保: 解氷スプレーとウォッシャー液の濃度確認。
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ボディケア: 融雪剤から愛車を守る。
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防災グッズ: もしもの立ち往生に備える。
これらを準備しておけば、いつ強い寒波が来ても、いつ雪予報が出ても、慌てることなく安心してハンドルを握ることができます。
「備えあれば憂いなし」。
まだ暖かい日があるうちに、少しずつ準備を始めて、つくばの厳しい冬を安全・快適に乗り切りましょう!